第24章 あなたの横顔は
「…この間見ちまったんだよ」
「え?」
「ペトラが親父さんに宛てて書いた手紙。あっ、見るつもりなんか無かったんだぞ?!アイツ、書いてる途中で居眠りしてやがったから、風邪ひいちまうと思って…そしたら文面が見えちまって…」
ペトラの肩にそっと毛布をかけてやっているオルオの姿が目に浮かぶ。
「兵長に全てを捧げる覚悟だって…」
オルオの目は若干潤んでいて、今にも泣き出してしまいそうに見えた。
…本当にペトラの事が好きなんだろう。幼馴染だと聞いたから、きっと子どもの頃からずっとずっと…想いを寄せてきたんだ。
本当のことを教えてあげなければ、きっとオルオはこれからも同じ想いを抱き続けることになるのかな…?
オルオの顔が、何故か幼馴染みのライデンと重なって見えた。
子どものように泣くのを我慢しているオルオの様子に、私は覚悟を決めた。
「…ペトラは、リヴァイ兵長に指名されたことをすごく誇りに思っているみたいなんだ。兵長のことをとても尊敬してるんだと思う。そしてもしかしたらその想いは、上司に対するもの以上かもしれない」
「!!」
「でもそれと同じように、オルオのことも同僚として以上に思っているはずだよ!ずっと一緒に育ってきたんでしょう?…気持ちを伝えないの?」
「…俺は……」
オルオが話し始めた時、向こうの方からペトラの声がした。