第23章 成果
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トロスト区に私たちが戻ってきたのは、すっかり日も暮れかかってきた頃のことだった。
「さて、腹も減ったし、せっかくだからどこかで食事でもして行こうか」
エルヴィン団長の唐突な提案に、私は率直に言って、びっくりした。
こ、このメンバーで行くの?団長と兵長だけならまだしも、私なんかがいてもいいのだろうか…?何だかすごく場違いな気がするのだが…。
「気をつけろエルヴィン、こいつは結構食う」
「なに?この小さな身体でか?それは是非とも実演してもらいたいものだな」
「え」
えーっ、と思っている間に、いつの間にか私はお店の前まで引っ張られて来ていたのだった。
夕飯時だから、店内には客が溢れていてとても活気がある。お酒も飲めるし食事もできる、大衆向けのお店だった。
たかが部下を食事に連れてくるくらいで高級レストランには行かないだろうが、こんな俗なお店にエルヴィン団長がいる姿がどうしても想像できなくて、店のイスに腰掛けている姿を見てもまだ夢なんじゃないかと思ってしまう。