第23章 成果
団長と兵長の後に続いて部屋に入った私を迎えてくれたのは、白髪の初老男性で、それほど高くない身長に、ゆったりとしたズボンをサスペンダーで吊るしてはいていた。
口元にたっぷり蓄えたヒゲと、やや恰幅のよい体型が、優しげな雰囲気を醸し出している。
(この方が、ザックレー総統?)
当然のことながら、私の想像とは似ても似つかないお姿だった。
「やぁ、君がラウラか。さっそくだが、絵を見せてくれるかね?この日をずっと楽しみにしていたんだ」
総統のメガネの奥の瞳が優しく細められるのが見えて、私は安堵した。優しそうな方だ。良かった。
私は、持ってきた絵をさっそく総統にお渡ししたのだった。
絵を受け取って、まじまじと見つめている総統。
誰かに初めて絵を見せる時というのは、いつだって緊張する。一体どんな風に見えているのだろう…とか、期待はずれだとがっかりされたらどうしよう…とか、相手が絵を見ている沈黙の間に色々と想像してしまうのだった。