第23章 成果
はっ、と気が付くと、窓からは朝日が差し込んでいた。
「寝ちゃったんだ」
もっと描き進めたかったと少し残念な気持ちになったけど、顔を洗ったら再開しよう。
そう思って腰を上げた時、私の肩からパサリと毛布が滑り落ちた。
「え…?」
床に落ちた毛布を拾い上げる。こんなの、自分でかけた覚えはない。
不思議に思って毛布から視線を上げた時、窓際の席に座るリヴァイ兵長の姿が目に飛び込んできた。兵長は腕組みをして、眠っていた。
「もしかして、兵長が…?」
眠りに落ちる前に聞いた声。あれは兵長の声だったのだ。今頃になってからはっきりと分かった。
朝日の中で眠る兵長に歩み寄る。きっと、私のことを心配して様子を見に来てくださったんだろう。
「ありがとうございます、兵長…」
私はそっと、毛布を兵長の身体にかけたのだった。