第17章 巨人捕獲作戦
グンタさんの方に行った巨人も無事に捕獲に成功したようで、私たちは他の巨人が近寄ってこない内に早々と壁の上に退避すると、網で捕獲した4体の巨人も引っ張り上げて壁の中への移送を完了したのだった。
「ラウラ!グンタ!ほんっとうに良くやってくれたよ!
一人の犠牲者も出すことなく作戦を成功させられたのも、君たちの勇敢な行動おかげだよ!!」
がっばぁ、と、初めてハンジさんと出会った時のように抱きつかれて、私はそのたくましい腕の中で、あっぷあっぷともがいた。
分隊長は、グンタさんの方には抱きつかずに握手を交わすと、ニコニコと笑ったまま、拘束した巨人たちの方に向き直った。
「ぐふふふ…さぁて、どの実験から始めようかなぁ。こんなに可愛い子が4人もいたんじゃあ、迷っちゃうよ」
ワキワキと、日常生活ではあまりやらないような指の動きをさせて、分隊長はフラフラと引き寄せられるようにして歩いて行ってしまった。
私は急に身体の力が抜けていくような気がして、ペタンとその場に座り込んでしまった。
「成功、した…」
さっきまで自分を食おうと追いかけていた巨人が、すぐそこで全身に杭を打たれて拘束されている。
大きな口から流れ出ているヨダレを見るとゾッと背筋が寒くなるようだったが、少しずつ気持ちが落ち着いてくると、目の前に巨人がいて思う存分観察できるという状況がこの上なく貴重なものであるという実感がふつふつと沸いてきた。
私はまだ小刻みに震えている足を何とか立たせて、ハンジ分隊長のようにフラフラと巨人の近くへと歩いて行った。