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【進撃の巨人/リヴァイ】君が描くその先に

第13章  巨人研究班


「は、はいっス!エルドさん!」

 オルオは慌てて、ホウキではく範囲を広げた。
 そんなオルオの様子を横目で見送ってから、エルドさんと呼ばれたその人は、私の方に寄ってきて、ニッとクールな笑みを浮かべた。

「エルド・ジンだ。お前のことは入団式で見た時から知っている。今度、絵を見に来てもいいか?」

 そう言って握手をしてくれた。
 と、その後ろからまた別の男性兵士の声がした。

「俺も見に来たい。いいだろうか?」

 私が振り向くと、そこには黒髪を特徴的に尖らせた、こちらもまた背の高い男性兵士が立っていた。

「グンタ・シュルツだ。よろしく」

 エルドさんに引き続き、グンタさんとも握手を交わした。力強くて大きな手だ。

「よろしくお願いします。ラウラ・ローザモンドです」

 私は、嬉しい気持ちと恐縮する気持ちで胸がいっぱいになって、深く頭を下げて挨拶をした。

「おい、お前ら」

 そこに、バケツの水を交換しに行ったリヴァイ兵長が戻ってきた。

 シュバッとまるで冗談のように、私を除く全員が部屋の各所に瞬時に散らばり脇目も振らずに掃除を再開し始めた。

「おいラウラ…お前の部屋の掃除なんだ。休んでんじゃねぇぞ」

 ジロリと睨まれて、私も慌てて掃除を再開した。

「リヴァイ班に入るためには掃除技術も高くないといけない」

 どうやらこれは噂だけの話ではなかったようだ…。





 リヴァイ兵長たちの協力のおかげで、夕暮れどきには掃除を終えることができた。
 兵団資金で購入してもらった画材道具も運び込まれ、すっかりアトリエの様相を呈している。

「やぁ、見違えたね!」

 モブリットさんを伴って室内に入ってきたハンジ分隊長が、感嘆の声を上げた。
 それに対して、兵長は低い声を出す。

「てめぇ…あれほど部屋の掃除をしろと言っていたのに、この部屋のザマはなんだ。ここはゴミ捨て場か?」

「あはは、ごめんゴメン。研究をしていると、つい物が増えちゃうんだよ~」

 苦笑いをして頭をガリガリと掻いているハンジ分隊長は、そう言って謝りながらもツカツカと部屋の中央に置かれたテーブルに歩み寄ると、小脇に抱えていた書類を広げた。

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