第13章 巨人研究班
「それよりもラウラ、入団して数ヵ月で自分の執務室を与えられるなんて、すごいじゃない!
しかも巨人研究班に請われて入るなんて!」
「いや、そんな…請われてだなんて、そんな大層なものじゃないよ。
それに、まずはハンジ分隊長たちが書いた論文の資料図とか挿絵を描くだけだから、ただの下っ端研究員だよ」
「ううん、十分すごいから!」
若干食い気味に言われて少し驚いたけれど、やっぱり嬉しい。
「ペトラこそ、リヴァイ兵長に指名されて特別作戦班に入るなんて、尊敬するよ!本当におめでとう!」
「えへへ、ありがとう」
ニコリと笑ったペトラの綺麗な笑顔を見て、やっぱりペトラは美人だと思った。
今度スケッチさせてもらいたいなぁ。
「おいペトラ、あんまりしゃべってんじゃねーよ!手が止まってるぞ!
掃除が完璧にできないヤツは、即座にリヴァイ班から解任されるかもしれないんだからな!」
聞き耳を立てていたらしいオルオが、横から話に入ってきた。
「わ、分かってるわよ!」と、ペトラが言い返す。
オルオに指摘されて、いつの間にか手が止まっていたことに気がついた私たちは、慌てて掃除を再開した。
「お前だって、さっきから同じ場所ばっかり掃除してるぞ、オルオ。もっと部屋全体をやれ」
サカサカと、ホウキを動かしているだけのように見えていたオルオを、背の高い男性兵士が注意した。
長い金髪を頭の後ろでキュッと縛っている彼は、特に奇抜なことをしている訳ではないのに、そこはかとないオシャレ感とセンスの良さを醸し出していた。