第13章 【番外編】ニンギョ×ト×フェイタン
ドアノブが壊れてた気がする、と思い出す様に宙を見る。
『あれフェイタンがやったの?』
「………」
『ふふふ』
「…何か」
『いやぁ…可愛いところあるんだなぁって』
髪の毛を拭く手を止め、腹を抱えながら笑う。
『そうだなぁ…店にあった槍立て掛けて外側からは開けられない様にしたはいいけど、内側からも出られなくて上がって来たってところかな』
「………」
『窓からでいいならどうぞ』
と立ち上がるとカーテンを避けて窓の鍵を外して窓を開けようとする…が。
『あれ…これ押すんだっけ?引くんだっけ?』
ガチャガチャと四苦八苦するチェリーの後ろ姿を見つめる。キュッと括れたウエスト。少し前屈みになってるせいで突き出されたヒップは丸くて上向き。こんなのを目の前に平静で居れるならそれは男じゃない、とフェイタンは思う。
「チェリー…」
-カチッ-
『開いた!なんだ上にあげるタイプだっ…』
結構力が入っていのか勢い余って後ろに仰け反る。
※※※
『いやぁ…毎度毎度申し訳無いねぇフェイタン』
「はぁ…お前、分かてるか?」
『何が?』
地下の鍛冶場の時とは違って、しっかりと腕で支える。フェイタンはこの状況がどうゆう事か分かってるのか、と言うのを聞いたつもりだったが支えてる腕の中で怪訝な顔をするチェリーは何も分かっていなさそうで。流石にイラっとしたフェイタンは脇腹を指で辿る。
『ひゃっ!?』
「こう言う事よ」
『ちょ、ま………擽っ…』
擽ったさに身を捩るチェリーにやはり苛立ちを募らせたフェイタンはベットに投げ捨てる。ギシ…と言うスプリングの音がやけに耳に残った。
『あだっ!?ちょっと何す、んっ…』
素早くチェリーの上に跨って両手を頭上で拘束して首筋に唇を這わせるとチェリーから甘美な声が漏れる。
『待っ…フェイた、ん…』
「待た無しね」
鼻腔を擽る甘い香りに良い感じに酔わされて鎖骨へと唇を滑らせる。空いた手で太腿を撫でるとシルクの様な触り心地。最後までやるつもりは一応無い。ただあまりにも無知で無防備な姿に危機感と言うものを分からせたいだけ。
『ひゃ…ぅん…』
耳朶を甘噛みすれば肩を跳ねさせて膝を擦り合わせる。