第7章 ニンギョ×ト×トウゾク
「からかうのはやめてくれる?」
『イルミ!お兄ちゃん!』
「………悪くないな」
「こんな感じで皆の心をメロメロにするのさ♡子供だからいいもののコレが大人だったら大惨事だよねぇ」
はしゃぐチェリーを、ちらりと横目で見て舌舐めずりをすると、そんなヒソカに気付いたチェリーが不思議そうな顔をする。
「あぁ…早く成長した君を見てみたい…そして戦いたい♤」
「あー、現場凄い事になってたんだって?」
氷漬けにされた死体に氷の棘で串刺しにされた死体。神秘的かつ残忍なあの光景を思い出すだけで快楽が押し寄せる。
「俺も調べてはみるよ」
※※※
一同「天空闘技場に連れてったぁ!?」
「うん♤殺りたいっていうからさ」
「アンタ絶対変換違うだろ?」
フランクリンの膝の上でもぐもぐとお菓子を頬張るチェリーを全員が凝視する。そんな皆の心境はいざ知らず摘んだチョコレートをフランクリンの口に持って行く。
『あーん』
「ありがとな、チェリー」
『へへー』
頬を緩める幼女に戦闘はあまりにも不釣り合い。
「200階まで半日♣︎記憶は無くしても身体は覚えてるみたいだね、強いよ…彼女」
一同「………」
達人が集まる場所。決して優しい場所では無い。
『クロロあーん』
「くっ…可愛い」
一同「団長気持ち悪い」
『ふぇーたんあーん』
「ガキは寝る時間。ささと寝るよ」
『はーい』
パタパタと足音を立てて広間を出て行ったのを確認して全員がヒソカを睨み付ける。
「テメェ何考えてやがる」
「餌を撒いてきただけだよ♤これだけ八方塞がりなんだからもっと別の思考でいけば良いと思わないかい?」
一同「別の思考?」
「チェリーを狙ってた連中にチェリーが居る、と言うアピールをすれば良いんだよ♣︎まだ狙われてるのだとしたら何か尻尾を出すかもしれないし上手く行けば僕は会った事無いけど例の男にも辿り着けるかも知れないじゃないか♣︎」
「だとしても危険に晒してどうする」
「皆過保護だなぁ♤あの子は強いよ」
長い爪で軽くつついただけで崩壊するトランプタワーの様子を楽しそうに見る。
「それに僕達が護衛してるんだ♣︎そう易々と持って行かれたり…なんて事は無いだろう?」