第4章 ニンギョ×ノ×ショウシツ
自分が良く知ってる非常識な集団が可愛く見えて薄く嘲笑う。
「さて、時間がありません。速やかにご同行願います」
その言葉を合図に四方八方から敵や武器が飛んでくる。感じる限り本当の強者は数名で後は大した事が無いのは分かっていたから一撃で終わらせようと念を発動させようとする、が。
『………?』
「あ、封じさせていただきましたよ…三人がかりで。暴れられると面倒なので」
本当に用意周到だ、とチェリーは思った。彫刻の件から仕組まれていた事なのだろう。犯人はコイツ等だと確信付けれる程の連携っぷり。
『封じたから何?舐めないで』
その言葉と共に念ではない別の何かのオーラを感じる。
-ごごごごご-
一同「!?」
『おいで、Blizzard』
夜明けで白み出していた空は分厚い雲に覆われキラキラとした結晶が降ってきたかと思うと一瞬で積もる吹雪になる。
『ちっ…(本来の力が出せない…範囲が狭い)』
「ハハハハハハハ!!!この能力!間違いない!」
『氷の城壁"アイスキャッスル"』
-ザクザクザクッ-
「「「がぁあぁぁ!!」」」
自らの家を中心に氷で出来た棘の城が出来、その棘は数名を串刺しにする。
『………(これも…範囲が狭い。やっぱりこの状態だと本来の力は出せないか)』
※※※
ふわ、と頬を撫でる風が冷たい。
「………」
「団長?」
「いや、風が冷たいと思ってな」
「…確かに。この時期まだ暖かいんだけどな」
「………ヤだね。嫌な予感がするよ」
「マチの勘とか予感は当たるからなぁ…」
「至急アジトに戻ろう」
ふっと数名の影が白み出した闇に溶ける。
※※※
『…ごほっ』
片膝を付いて身体を支えるが激しく咳込む。咳き込んだ拍子に出てきたのは少量の血液。
「凄いなぁ強いなぁ…30人居たハズなのにもう3人しか残って無いですよ?念も全く使えない状態でこの戦闘力…やはり貴女………女帝ですね?」
『さぁ…何の事やら…げほっげほっ』
ビチャッと血が積雪した地面に飛び散って鮮血のアートを施す。
「効いていました?僕の猛毒の香水"デッドリーポイズンフレグランス"本来なら即効性が強くて10分で死に至るんですけど…」