第7章 記憶の在り処
晃side
終礼が終わり、颯太さんはそそくさと職員室にむかった。
伊藤も急いで教室を出た。
この後デートなのだろうか。
2人とも少し嬉しそうだ。
ゆっくり帰る準備をする飯塚が目に止まる。
今まで颯太さんを追っかけるようにして駆け足で教室を出ていた。
「・・・飯塚。ちょっといいか?」
「なに?」
面倒臭いとでも言うような目付きで睨まれた。
「颯太さんと伊藤の事で話がある。」
そう言うと睨みつけてた目は丸くなった。
「・・・知ってんのか?」
「つい先程知った。ここじゃ話しにくいだろうから場所を変えよう。」
俺達は屋上に向かった。
「いつから知ってた?」
飯塚に問う。
「初めから。伊藤が颯太と付き合う前から。」
「どうして言わなかったんだ?それに、あいつ能力者だろ。」
「・・・怖かったんだ。颯太に嫌われるのが。」
「颯太さんが嫌うわけないだろ。」
「伊藤に言われたんだ。俺が颯太に迷惑をかけてるって。」
飯塚が頭を抱えて声を震わせている。
今にも泣きそうな声だ。
「なんて言われたんだ?」
飯塚は言われた事を話した。
それは俺も知っていた事だった。