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先生、好きです。【R18】

第7章 記憶の在り処


晃side

俺は頭の中が真っ白のまま職員室に戻った。
次は確か授業だ。

準備をして教室に向かう。

颯太さん、好きな人いたんだ。
何で俺たちと付き合ってたんだ?

「颯太先生、じゃあ今日の帰り楽しみにしてますね。」

目の前を颯太さんと伊藤が隣の教室から出てきた。
2人っきりだったのか?

「その前に勉強頑張れよ。飯塚に勝ちたいんだろ?」

「はい!もし、勝ったらご褒美くれます?」

「考えとくよ。」

ご褒美?
まさか・・・
いや、それは考えすぎか。
伊藤もそんな意味で言ってるわけじゃないだろう。

「あ、海堂先生。」

「晃・・・」

颯太さんが汗をかく。

「・・・神崎先生。さっきはすみませんでした。」

「あ・・・いや・・・気にしないでくれ。俺も悪かったよ、あんな言い方。」

「・・・何かあったんですか?」

伊藤が颯太さんの顔を覗き込んで尋ねてくる。

「な、なんでもない////」

颯太さんは顔を赤くさせる。
今まで俺と飯塚にしか見せなかった反応だ。

「・・・隠し事無しって言いましたよね?」

「う・・・誤解を解いただけだよ。」

「誤解?どんな?」

「・・・俺と海堂先生の関係だよ。この前話しただろ。昔付き合ってたって。」

その事言ったんだ。
けど、なんでただの生徒にそんな事話したんだ?

「・・・ふーん。海堂先生。」

伊藤が笑顔を向けて俺の名前を呼ぶ。

「海堂先生は凄くかっこよくて、頭も良くて、優しいし人気者ですよね。」

声のトーンが変わる。
怒りが篭った笑顔と声だ。

「けど、颯太先生は返しませんから。」

「「っ!」」

やっぱり・・・颯太さんの恋人って・・・
伊藤だったのか・・・

「お前っ・・・何言って・・・」

「大丈夫ですよ。ここには誰もいませんし。それに、颯太先生の事が大好きな海堂先生には誰かにバラすなんて・・・出来ないですよね?」

言い返せない。
俺にはそんな事出来ない。
それに、飯塚とも颯太さんは関係を持ってた。
誰かになんて言えるわけない。

「それじゃあ、授業に遅れるので僕達は行きます。」

伊藤が颯太さんの背中を優しく押して歩き出す。

「あ・・・そうだ・・・飯塚くんにもよろしくお伝えください。僕、全部知ってますから。彼も。」

「は・・・?」

不安そうな顔の颯太さんを横に伊藤は目を光らせた。

能力者だ。
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