第6章 もう1人
颯太side
「遅くなってごめんな。」
「いえ、気にしないでください。」
生徒指導室に2人で入り鍵を閉める。
「で?話ってなんだ?」
伊藤が俺と向き合い、深呼吸をする。
「颯太先生。僕、先生のことが好きです。付き合ってください。」
「え・・・何・・・」
「体験入学に来てから先生見て、ここに入ろうって決めたんです。一目惚れです。軽い気持ちって思われるかもしれません。でも、先生が担任になってから色々知って、やっぱ好きだって確信したんです。」
俺の目を真っ直ぐ見つめて告白する。
綺麗な目だな。
淡いピンク色をして光っている。
「僕の恋人になってくれませんか?」
駄目だ。
俺には晃と宏がいる。
断らねぇと。
「伊藤、気持ちは嬉しいんだけど・・・っ!」
なんだこれ・・・
頭がボーとする。
体も暑い。
「颯太先生・・・好きです。」
「い・・・とぉ・・・?////」
「付き合ってくれませんか?」
「はぁ・・・はぁ・・・////」
あれ・・・
伊藤ってこんなにかっこよかったっけ?
「・・・うん・・・いいよ////」
「よかった・・・嬉しいです。」
あれ・・・
今俺なんて・・・
伊藤が電気を消して俺に近づいてくる。
体がおかしい。
思うように動かない。
「颯太先生・・・大好きです。」