第6章 もう1人
颯太side
「晃、俺・・・っ」
「あ!!いたー!」
俺のクラスの生徒が走ってくる。
「先生!出番次ですよ!?」
「ごめん!すぐ行く!(汗)」
晃も一緒に体育館に向かう。
「あの、颯太さん。さっき何か言おうとしてませんでした?」
「・・・なんでもない////」
危なかった。
危うく聞かれるところだった。
体育館に着くと、丁度前のクラスの発表が終わった。
間に合った。
クラスの発表は難なく終わった。
伊藤と宏が出てきた瞬間の歓声は凄かった。
流石としか言いようがない。
俺が出た瞬間は誰もが「誰?」と首を傾げた。
まさか教師がこんな事してるなんて思わねぇよな。
ステージ披露はかなり疲れた。
もうしたくない。
その後は17時まで文化祭があり、片付けに入った。
また片付けが大変だ。
サボるやつも出てくる。
「ちゃんと全員で片付けろよ。」
はーいとやる気のない返事がバラバラと上がる。
「颯太さん。」
「なんだ?」
「廊下見てくださいよ。」
晃に言われる通りに廊下を見ると沢山の人集りが。
なんだあれ。
「さっきのステージ披露、颯太さんの女装姿が誰かって見に来てるんですよ。全然バレてないみたいですね。」
「良かった。」
「可愛いって有名になってますよ。」
「は!?」
話によるとSNSで動画が拡散されてるらしい。
情報早いな。
SNS怖い。
「勘弁してくれよ。」
「バレませんって。誰も教師とは思わないですよ。」
だといいけど。
やっぱしなきゃ良かった。