第6章 もう1人
颯太side
「できた!」
女子にメイクをしてもらった。
何故か俺が1番目に女装する事に。
「か、可愛いぃ!」
女子に囲まれる。
止めてくれ・・・
ほら、と鏡を見せてくる。
そこに写るのは美少女。
え、これ本当に俺?
嘘・・・
服装も着替え終え、皆の準備ができるのを待っていた。
「颯太さん!」
晃だ。
まずい、この顔を見られるのは・・・
「く、来るな!////」
顔を手で隠す。
「見せてくださいさいよ!俺まだ見てないんです!」
「やだ!////」
顔を隠したまま後退る。
「何でですか!どうせ見るんですよ!?」
「でも・・・恥ずかしい・・・////」
そのまま逆方向へ逃げる。
「あ、待ってください!!」
学校中を駆け回る。
いつまで追いかけてくるんだよ・・・
人気のないトイレの個室に駆け込む。
思わず男子トイレに駆け込んだが・・・
女子トイレに隠れれば良かった。
そしたら晃も入ってこれないのに。
「颯太さん・・・」
「うっ・・・」
「どうして見せてくれないんですか・・・他の人は見たんですよね?飯塚も。」
「・・・うん。」
「どうしてですか?」
「わかんない・・・」
扉を挟んで話す。
「飯塚に見せるのは何とも思わないのに?」
自分でも不思議だ。
どうしてこんなにドキドキするんだ?
慣れてるはずなのに。
「俺達恋人じゃないですか。なのに、飯塚だけ・・・ずるいです。何か特別な感情でもあるんですか?」
特別な・・・
もしかして俺・・・
決心して扉の鍵を開ける。
「颯太さん・・・」
「晃・・・」