第6章 もう1人
宏side
「伊藤、お前もしかして今日言うのか?」
「・・・そのつもり。」
告白するのか。
颯太なら断るはず。
だって現在俺たちと付き合ってるんだ。
颯太は裏切るような事しない。
「そっか・・・。」
「・・・嫌なの?」
「は?」
「僕が颯太先生に告白するの。本当は嫌でしょ。」
「・・・俺には関係ない。」
今日にどうしたんだ?
顔色変えて。
少し怒っているようにも見える。
「嘘付かないでいいよ。僕、夏祭り行ったんだよね。その時たまたま君達見ちゃったんだ。」
「っ・・・」
「キス・・・してるところ。」
バレてた・・・
俺達の関係はこれで終わりだ。
このまま続けば颯太は教員辞めないといけなくなる。
それは避けたい。
「大丈夫、誰にも言わないよ。ここじゃあれだから後でまた話そう。昼食交代の時、屋上で。」
「・・・分かった。」
客が増えてきて、暇がない。
そろそろ交代したい。
「名前何て言うんですか?!」
「彼女は!?」
「伊藤です。彼女いませんよ。」
「君は!?」
伊藤を囲んでた女子が次は俺の元へ来る。
「・・・飯塚。恋人はいる。」
「えー。」
頼むから近づかないでくれ。
「伊藤君って好きな人いるの?」
「秘密です。」
伊藤は愛想を振り撒いている。
俺はあんなのごめんだ。