第6章 もう1人
颯太side
結局、断れずに当日になった。
「すみません、車はあっちにお願いします。」
意外と人が多くて驚いた。
「ふぅ。」
「多いですね(汗)」
「既に疲れが・・・」
「でも少しずつ落ち着いてきましたね。」
そろそろ交代の時間だ。
「この後どうします?」
「あー悪い。ちょっと用事があって・・・一旦クラスに戻る。」
「分かりました。じゃあ、俺は適当に時間潰しますね。ステージの方にでもいます。」
晃は嫌な顔1つせずに笑顔で答えた。
「ほんとごめんな。」
「大丈夫ですって!気にしないでください!」
交代の先生が来て、俺たちは校舎に戻る。
晃は体育館。
俺は教室に向かう。
うちのクラスは結構人気みたいで行列が出来ていた。
「伊藤ー。」
「あ!颯太先生!来てくれたんですね!」
よく見たら女性の客が多い。
恐らく伊藤と宏狙いだろう。
客をなるべく多く入れる為にこの2人を接客に回したのか。
「颯太。お疲れ様。」
「おう。」
「じゃあ、早速・・・」
「あー悪い。伊藤。やっぱ一緒には回れない。」
「え・・・どうしてですか?」
「別に仕事頼まれて。それに、こんなにお客さん来てるんだ。人手不足になるだろ。」
伊藤が残念そうな顔をする。
「仕方ないですね。それじゃ・・・その・・・今日全て終わったら話したい事があります。」
「?別にいいが・・・教室にいればいいか?」
「はい。」
話?
何かあったんだろうか。
あれ・・・今。
伊藤の目・・・
気のせいか?