第6章 もう1人
颯太side
「お疲れ様ー。」
全校生徒が疲れた様子で校舎から出てくる。
校門には『文化祭』と書かれた看板が。
俺も帰るか。
学校を背に家に向かおうと歩き出す。
「颯太さん!」
走って晃が俺の元へ来る。
「解決したか?」
「してないです!てか、勝手に帰らないでください!」
「ごめんごめん。」
明日は1人で文化祭回ろう。
それが一番いい。
「・・・あ!しまった・・・」
「忘れ物ですか?」
「いや、伊藤が俺に話があるみたいだったから。先帰っててくれ。」
「分かりました。気をつけてくださいね。」
晃に手を振り走って再び校内へ向かう。
伊藤はどこにいるだろうか。
一旦教室に行くか。
まだ教室は明るかった。
誰かいるのか。
「伊藤いるか?」
教室の扉をガラッと開けると2人いた。
「颯太先生!」
「よかった。まだいた。・・・宏もまだ居たのか?」
「うん。今帰るところ。」
「そっか。気をつけて帰れよ。伊藤、さっきの話・・・」
「はい!良かったらですが、明日一緒に回りませんか?」
「「え・・・?!」」
その場に居た宏も驚いていた。