第5章 夏デート
颯太side
荷物を部屋にまとめ、早速大阪の街へ。
有名な場所を全て回った。
テレビでしか見たことない場所に行ったりして、晃と沢山の写真を撮った。
ふざけて撮ったり、キメ顔したり。
写真を撮るのに夢中になっていた。
食べ歩きだってした。
「美味しいぃ////」
「俺、もうお腹いっぱいです。」
「えぇ・・・だらしねぇなぁ。」
晃の分まで食べてしまった。
「この後どうします?もうすぐ19時ですけど・・・」
「え、もうそんな時間?うーん・・・あ、この近くで花火上がるらしいぞ!」
「行きましょう!」
「おう!」
確か、打ち上げは19時。
ちょうどいい頃・・・
そう思っていた時だった。
花火の音が響き渡った。
「っ!!」
「あ!見えましたね!」
「すっげぇ・・・綺麗・・・」
「・・・本当に綺麗です・・・」
晃は俺の方を見つめていた。
「・・・綺麗じゃねぇし・・・////」
困った様に晃が笑う。
綺麗なんて言葉・・・俺には勿体ない。
「颯太さん・・・覚えてますか?俺との初デート。」
「・・・高校生の時か・・・懐かしいな。確か無理矢理夏祭りに誘われたんだっけ?」
「無理矢理なんてそんな・・・あんなに断ってたのに来たのは颯太さんじゃないですか!////」
初めてキスしたのもその時だったな・・・
「あの時、まだ付き合ってなかったですけど、俺がキスしちゃって・・・颯太さん怒らせちゃったんですよね。」
「そうだったな・・・あれは驚いた。あの時、失恋した後だったんだぞ?」
「あれはすみませんでした。どうしても我慢できなくて・・・でも今は違う。今はこうやって手を繋ぐことも・・・」
晃が、俺の手を握りしめてくる。
「キスすることも・・・当たり前になっちゃいましたね。」
「・・・そう・・・だな////」
俺も晃の手を握り返す。
「晃・・・俺さ、好きなやつも選べない最低な奴なのに・・・一途に愛してくれてありがとうな・・・今、凄い幸せ////」
「・・・そんなの当たり前ですよ。俺が1番になれるように努力すればいい話ですし。少しでも颯太さんが愛してくれるだけで俺は幸せです。」
我慢が出来なくなり、いつの間にか、晃に抱きついていた。
周りのことなんか気にもせずに。