第4章 2人の彼氏
晃side
「お疲れ様です。颯太さん。」
「あぁ。・・・今授業終わったのか?」
「はい。あっ!一緒にお昼食べません?」
教材を置いてキラキラした目で俺に尋ねる。
ココ最近、晃は生徒や先生達に捕まってお昼休みちゃんと取ってなかったもんな。
「そうだな。」
「よし!」
「あ、その前に保健室寄っていいか?」
「何処か具合でも悪いんですか?」
「いや、宏が熱出してて寝てるんだよ。結局、早退は嫌がったらしいし。」
「あー・・・そう言えば、佐野先生言ってましたね。」
「聞いたのか。」
「はい。さっきの授業の前に。」
話しながら保健室までの廊下を2人で歩く。
昼休み中という事もあり、校舎内はかなり煩い。
「失礼しまーす。」
「あ、神崎先生。丁度いい所・・・に・・・海堂先生もいたんですか!?」
「はい。一応副担任なので。」
佐野先生が髪を弄りながら頬を赤くしている。
髪崩れてないですけど?
絶対晃の事狙ってる。
「そうなんですね////」
「・・・飯塚はどんな感じですか?」
2人の会話を裂くように話を変えた。
「あ、えっと・・・まだ寝てますけど・・・熱は少しずつ下がってますし。心配は無いかと。」
「そうですか。ありがとうございます。」
「私、これから出るところで・・・後はお願いしても?」
「はい、任せてください。鍵閉めは・・・」
「あ、それなら大丈夫です。夕方にまた帰ってくるので。」
「分かりました。」
宏の様子を見るとさっきよりは落ち着いているようだ。
水分もしっかり摂っているようでよかった。