第3章 どっちも・・・
颯太side
屋上までは4階分の階段を上がる。
最近の学校は屋上は閉鎖されているらしい。
俺の学校はそんな事なかったけどな。
ここもそうだ。
「宏。いるか?」
見渡す限りはどこにもいない。
「・・・颯太?」
「そこにいたのかよ。」
「うん・・・」
屋上入り口の上に寝転がっていたようだ。
俺も上に上がり話をする。
「宏、お前な、授業はちゃんと出ろ。居眠りならまだしも、サボりで不参加は駄目だ。」
「・・・うん。」
「分かってんのか?」
「・・・」
逆にいじけちゃった・・・
「俺の授業はちゃんとしてるじゃねぇか。」
「颯太の授業は好き。」
「はぁ?あのな、好きでいてくれるのは嬉しいけど他の授業も大事なんだぞ?」
「・・・知ってる。点数もちゃんと取ってる。」
「まぁ、そうだな・・・」
それを言われると何も言い返せない。
成績表には響かないし。
「・・・授業料がもったいないだろ?せっかく払ってくれてんのに。」
「・・・そうだな。」
少しは納得した様子だ。
良かった。
「じゃあ、さっさと戻れ。始まるぞ。」
「・・・まだここにいたい。」
「・・・何かあったのか?」
「ううん。そんなんじゃない。」
もう一度寝転び、空を見上げる。
俺も同じように隣に寝転ぶ。
「・・・告白・・・迷ってんのか?」
「・・・は?なんで知って・・・あー、見てたんだ。気になる?」
「いやっ別に・・・そんなんじゃ・・・それで何か悩みがあるのかって思ったんだよ。」
「ふーん・・・告白は断ったよ。というか、最近の悩みは好きな人が全然振り向いてくれないことなんだけど?」
座り直し、そう言って俺の顔を覗き込む。
「う・・・」
なんだよ・・・その顔。
こっちだって必死に悩んでんだよ。