第3章 どっちも・・・
颯太side
今日、1日の授業は全て終わり、放課後になった。
「あの、神崎先生。ちょっといいですか?」
「あ、境先生。はい、どうされました?」
境先生に呼び出され職員室の端に向かう。
「こんな事、先生に言いたくないのですが・・・先生のクラスの飯塚 宏ですけど・・・点数はまぁ言うことないですけど、授業態度がどうにかならないですかね?」
え?
授業態度?
俺が見る限りはちゃんと聞いてるようだけど・・・
「あ!それ、私も思います!ずっと居眠りしてますよね!」
「え、宏がですか?」
「あー、アイツ、俺の授業の時はどっか行ってますよ?」
晃が教材を抱えて入ってきた。
ん?手紙?
ポケットに隠れて手紙が入っている。
ラブレターか?
いやいや!それより!
「すみません!!飯塚には俺からしっかり言っておきます!本当すみません!」
頭を深く下げて謝る。
「先生に謝られても・・・でもお願いしますよ?」
「はい・・・」
「神崎せんせー!伊藤君が呼んでますよー!」
あ、そうだった。
入口を見ると申し訳なさそうにこちらを見つめていた。
「伊藤!ごめんな!で、どこだ?」
「・・・こんな事聞くのは変ですが・・・大丈夫ですか?」
「あ、あぁ・・・大丈夫だよ。」
「すみません。聞こえちゃって・・・飯塚君が何とかって・・・」
「あー・・・まぁ色々な。お前は気にする事ないよ。で?どこ?」
「ここです・・・」
生徒に見られてみっともないな・・・