第3章 どっちも・・・
颯太side
「神崎先生!」
「ん?どうかしたか?伊藤。」
授業が終わり、教室を出ると伊藤が教科書を持って走ってきた。
「あの・・・その・・・ここが分からなくて・・・教えてください。」
「あー・・・放課後でも大丈夫か?」
「はい!全然大丈夫です!」
「じゃあ職員室で待ってるな。」
「ありがとうございます。」
そう言って走って帰って行った。
伊藤くらい普段から可愛げあればなぁ・・・
「颯太さん!」
「へ?晃?」
何そんなに怒ってんだ?
「放課後は俺と約束がありますよね?!」
「あ・・・」
そうだった・・・忘れてた・・・
「す、すぐ終わるから!」
「もう・・・絶対ですよ?」
「分かってるって・・・」