第1章 イケメン教師と学年1の王子様
颯太side
「あぁぁ・・・疲れたよー・・・」
職員室に戻り、自分の机で伸びる。
「颯太さん、お疲れ様です!」
勢い良くソイツの頬を抓る。
「だから、『先生』を付けろって(怒)」
ギリギリ・・・
「ず、ずびばぜん・・・いだいれす・・・」
俺は気が済み、手を離した。
この新人教師は海堂 晃(あきら)。
俺のクラスの副担任だ。
実は高校の時の2個下の後輩であり・・・
「別にいいじゃないですか・・・付き合ってたんですし・・・」
元カレだ。
「あのな、ここは仕事場だ。今はプライベートなんか関係ねぇよ。」
「そうですけど・・・またやり直しませんか?俺、まだ貴方が好きなんですよ。」
「何度も言うが俺にその気は無い。諦めろ。」
こっちも俺と再会して早々告白をしてきている。
晃は昔からかなりモテていた。
カッコイイだけじゃなく、高身長で、運動も勉強も完璧。
優しいが、実は荒れていた時期があった。
髪も染め、ピアスも開けていた。
喧嘩もかなり強い。
高校生になってからはかなり変わり、黒髪にし、ピアスもはめなくなったらしい。
今では、「イケメン教師」と学生内だけでなく教師まで噂をしている。
つまり、俺のクラスには2人のモテ男がいる訳だ。
学年一の王子の宏か、イケメン教師の晃か・・・
毎日その話で生徒達は盛り上がっている。
全く真逆の2人だ。
宏が猫系なら、晃は犬系。
宏が月なら、晃は太陽。
宏が影なら、晃は光。
ただ、共通点が2つある。
1つは、俺の事が好きだということ。
もう1つは・・・
2人とも能力者だという事だ。