第2章 仮彼氏
颯太side
「そうですね。それだと俺も納得です。」
は?!
何言って・・・
けど、キスしないと逆に疑われる。
でも、将樹君がそこまでするわけが無い。
手を繋ぐまではまだしも。
「・・・宏って言ったな。」
「あぁ。」
「確かに疑う気持ちは分かるが、そこまでお前らに見せる必要はないだろ。それに、場所を考えろ。ここじゃ周りの目もあるし、場違いだ。」
将樹君ナイス!
やっぱり流石だよ!
2人も何も言わなくなったし!
「けど・・・そんなんじゃ、俺は颯太からは手を引かない。」
と思ったら、宏は口を開き反抗してきた。
そんなに俺の事が好きなのかよ・・・
ていうか、俺のどこがいいんだ?こいつらは。
わけわかんねぇ。
「・・・そうか。・・・颯太。ごめん。」
「え?なに・・・っ!?////」
将樹君の顔を見た時、手を頭に回され気がついたらキスをしていた。
引き寄せ方は強引だったけど、優しいキスだった。
将樹君・・・目の色変わってない・・・
まだ力を持ってるからだ。
吸い込まれそうな瞳をしている。
「・・・これで納得いったか?」
「・・・あ・・・////」
思わず口元を隠してしまった。
キス・・・しちゃったんだ。
「・・・俺、ちょっとトイレ・・・」
宏が立ち上がり、お手洗いに向かう。
表情が暗かった。
さすがに今のはショックだったよな。
「・・・将樹君・・・俺もちょっと行ってくる。」
「おー。」
ちょっと気になってしまった。
あれだけ俺の事を好きでいてくれたのに、自分で言ったものの実際に目の前で見たら精神的苦痛を受けるに決まってる。
俺から慰められてもウザイだけかもしれないけど・・・
ほっとけない。
「ひ、宏・・・?大丈夫か?」
「・・・」
宏は水を出したまま鏡の前で項垂れていた。