第2章 仮彼氏
颯太side
待ち合わせ場所は最寄り駅。
予定より早めに将樹君と集合することにしていたんだけど・・・
「えーと・・・早いな・・・お前ら。」
「そうですか?(笑)」
十分早い。
こいつらに伝えていた時間よりも30分は早い。
「颯太。待たせた・・・な・・・」
「え?!彼氏って・・・将樹先輩の事だったんですか?!」
「えーと・・・うん・・・そう。」
「この男と知り合いなのか?」
「あぁ。高校の時の先輩。」
「海堂。久しぶりだな。もう来てたのか。」
「あ、はい・・・お久しぶりです。」
宏だけがキョロキョロと俺らを交互に見る。
「あー・・・えっと・・・宏、俺の彼氏の将樹君。」
「・・・どうも。」
何故か凄く喧嘩腰だな。
気に入らねぇのか?
「覚えてねぇか?」
「何を?」
「俺と颯太とあと一人。3人でお前がいた養成施設に行っただろ?」
「・・・あ・・・でもあの時は金髪でピアスしてたような。」
「まぁ色々あってこの状態だ。」
「ふぅん・・・彼氏ねぇ・・・」
将樹君よりは身長が低いけど、どこか偉そうに睨みあげる。
「とりあえず・・・行こうか。」
空気が悪くなり、将樹君の手を引っ張り歩き始める。
将樹君と手を繋いだのは初めてだ。
少し鼓動が早くなる。
将樹君・・・手繋いでも大丈夫だったかな?
ちらっと将樹君を見る。
嫌そうではなかった。
むしろ・・・
「颯太。いつもみたいに繋げよ。2人がいて恥ずかしいのかよ。」
「ふぇ?////」
何急に・・・
将樹君はため息をつきながらも恋人繋ぎをしてきた。
「え、ちょ////」
「恋人のフリするんだろ?」
コソコソと話しかけられる。
そうだけど・・・
さすがにこの状況はドキドキしますよ!?
しかもこんなイケメンと手繋いでるって考えるだけで・・・
鼻血が出そうです・・・
今日1日持つかな・・・