第2章 仮彼氏
颯太side
2人との約束の日は一週間後になった。
結局、晃とは何も話せないまま帰って来てしまった。
ベッドの上に正座をして携帯である人に電話をかける。
着信音が3回なり、電話に出たのは将樹君。
「・・・はい。」
「将樹さん、お願いがあります。」
「・・・嫌な予感しかしないから却下。」
「あー!待って!切らないで!話だけでも聞いて!?」
「・・・聞くだけな。」
将樹君に全て事情を説明した。
「なるほどな。それで?俺に彼氏役をしてほしいと?」
「あはは・・・お願いできる人がいなくて・・・だめ・・・だよね。」
「樹輝は?」
「いっくんは仕事忙しいし、確実に話も聞かれずに切られそうだったから。」
「・・・確かに・・・アイツ、高校の時から面倒くさがりだったからな。」
将樹君が納得したように声のトーンが下がっていく。
「もし引き受けたら?」
「当日、何でも奢ります。」
「乗った。」
「ありがとうごさいます!!将樹様ー!」
これで相手は何とかなった!
あとは上手く誤魔化せるかだけど・・・
2人とも鋭いからなぁ・・・
バレないように恋人らしくしないと・・・