第8章 大切な人だから
颯太side
「うぇ・・・げほ・・・」
家に帰り着いてすぐにトイレに駆け込み飲み込んだものを全て吐き出した。
「はぁ・・・はぁ・・・まだだ・・・」
まだ残ってる。
胃に違和感があった。
喉奥まで指を突っ込み吐き出す。
「げほげほ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
「颯太さん!」
晃が帰ってきてすぐに俺の元へ駆けつけた。
背中を優しく摩ってくれる。
「っ・・・晃っ・・・やめてくれ・・・」
晃の胸元に手を添え軽く押し返す。
「どうしてですか?こんなに苦しそうなのにほっとけません!」
「頼むっ・・・俺に触らないでくれ。」
嫌じゃないはずなのに、身体が勝手に震える。
まだ感触が残ってる。
アイツらの感触が消えない。
「颯太さん・・・」
「ひっ!」
後ろから抱きつかれる。
「嫌だ!」
パシン!
思わず頬を叩いてしまった。
晃は頬を赤らめたまま動かない。
「ご、ごめんっ・・・そんなつもりじゃ・・・」
「いえ、颯太さんは悪くないです・・・俺が悪いんです。落ち着いたらリビング戻ってきてくださいね。一緒にご飯食べましょう。」
いつもの優しい笑顔だ。
晃は嫌じゃないのか?
こんな俺と一緒に居て。
しかもこれが初めてじゃない。
2回目だって言うのに。
俺は頭を冷やすためにもシャワーを浴びた。
中に注がれた精液を取り出す為に指を入れて掻き出した。
「うっ・・・はぁ・・・どんだけ出てくるんだよ・・・」
これじゃ、俺はただの玩具みたいだ。
晃にちゃんと謝ってお礼言わないと。