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先生、好きです。【R18】

第8章 大切な人だから


颯太side

「颯太!」

職員室に戻る途中、宏が走って呼び止めてきた。

「宏、どうした・・・!」

いきなり抱きついてきた。
力が強くて剥がせない。

「ひ、宏!?ちょ、離れろ!////」

後ろで晃も見てるっ・・・!

「いやだ・・・離れたくない・・・やっと会えたのに・・・」

泣いてる?
胸元が生暖かい。

珍しいな・・・

「宏、ごめん。けどいつか別れは来るだろ?それが少し早まっただけ・・・」

「そうだけど・・・早すぎる。俺まだ颯太としたい事いっぱいある。」

「・・・宏・・・」

「颯太の授業だってまだ受けたかった。お願い、他の先生の授業も真面目に聞くから。どこにも行かないでくれ。ずっとこの学校に・・・」

「それは出来ない。それにもう辞任したし。仕事も決まってる。」

宏の俺を抱く腕がさらに強まる。

「海堂先生とはどうなるんだ?次の仕事って何?」

「一緒に住むことになった。塾講師をするよ。」

「じゃあ、俺、その塾に通う。」

急に顔を上げ、涙を流した目は腫れている。

「そしたらまた颯太に会える。」

「お前通う必要無いだろ・・・別に連絡は取れるんだからいつでも会えるよ。」

「いいのか?」

「何言ってんだ。当たり前だろ。」

その瞬間、宏は嬉しそうな目をした。

「よかった。」

俺は宏と同じくらいの強さで抱きしめ返した。
優しく背中を擦り、落ち着かせる。

「俺、そろそろ戻らねぇと。お前も新しいクラスだろ?早く戻れ。」

「うん。また後で。」

「おう。」

何となく宏も止めに来るだろうとは予想してたけど、ここまでとは。
少し不安だな。

ん?
何か背中に感じる。

「颯太さん・・・恋人の前で他の男と会う約束するなんて・・・」

「お、おい!落ち着けって!ただの教え子だろ!?」

「それでも嫌です!・・・帰ったら覚えといてくださいね。」

「ひっ・・・」

怖い・・・
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