第8章 大切な人だから
颯太side
やり直したい。
晃が好きだと言いたい。
もう一度会って、謝りたい。
けど、俺は恐らくもう・・・
自分で一番分かっていた。
こうなる事も。
こんな最低な奴は罰が当たって当然だ。
1人に決められない自分も。
気持ち任せに言葉を吐く自分も。
大嫌いだ。
このまま死んで・・・地獄に落ちるべき人間だ。
最後に晃にさよならって言いたかったな。
もっと一緒に話したかった。
もっと遊びたかった。
もっと一緒に居たかった。
・・・ごめんね、晃。
それから、宏も。
2人とも大好きだよ。
『そ・・・たさん・・・』
晃の声が微かに聞こえる。
それだけで幸せだ。
これで最後ならもう悔いはない。
『颯太さん!起きてください!お願いします!』
っ!?!?
晃っ・・・
ふと目の前が明るくなった。
『颯太さん!・・・まだダメですよ・・・俺まだ・・・やりたい事沢山あるのに・・・』
俺も・・・
『俺・・・颯太さんのこと・・・こんなに好きなのに・・・置いてかないでください・・・』
まだ・・・死ねない・・・
晃を置いて・・・行けない・・・