第7章 記憶の在り処
晃side
「で?話って何?」
颯太さんが溜息を着いて話を聞く。
「颯太さん、俺たちと付き合ってた事覚えてないんですよね?」
「またその話かよ。覚えてないもなにも付き合ってないだろ。それにお前とは前に終わってる。」
「だったら、この写真見てください。」
携帯を取り出し、旅行に行った日の写真を見せる。
2人で仲良く撮った写真だ。
動画も撮ってある。
その動画も一緒に見せる。
『颯太さん!』
『何?』
『大好きです。』
『な、馬鹿じゃねぇの!?・・・俺も好きだよ////』
顔を真っ赤にして飲み物を飲んでいる動画だ。
「なにこれ。・・・どうせ高校生の頃のやつだろ?」
「違いますよ。そもそも高校生の頃は旅行なんて行ってませんよね?それにこの後ろのスクリーン。日付が今年です。」
「そんなの・・・デタラメだ・・・」
颯太さんはありえないと言う表情をして俯いた。
「それから、飯塚の写真も・・・」
飯塚が伊藤から貰った写真を見せる。
祭りの日にキスをしたらしい。
その時のものだ。
「伊藤から貰った。盗撮されて、脅されたんだ。俺とは今年再会したから昔のとは言えないでしょ?・・・お願いだから思い出してほしい。」
「2人してなんだよ・・・俺が2人と付き合ってた?そんな訳・・・じゃあ伊藤とは?俺が好きなのはアイツだ。お前らじゃ・・・」
「颯太さん。能力者なんですよ。伊藤はそれを使ってこんなことになってるんです。」
「違う・・・そんな訳ない。」
「颯太・・・思い出して。全て本当だ。」
颯太さんは頭を抱え始めた。
少しずつ記憶が戻ってる?
「そうか・・・俺は・・・お前らと付き合う事になって・・・それで・・・でもどうして記憶が・・・?」
「それも伊藤の仕業です。」
「俺・・・は・・・何やって・・・そうだ・・・文化祭の日・・・飯塚を先に帰した後伊藤に告白されて・・・」
「颯太・・・良かった。思い出したんだ。」
「ごめん、2人とも。俺最低な事・・・」
颯太さんは涙目になりながら謝った。
「颯太さんは悪くないです。」