第7章 記憶の在り処
晃side
颯太さんが出てくるまで、飯塚と2人で待っていた。
時間が長く感じた。
周りのお客さんも大分減ってきた頃だ。
「来た。」
飯塚が2人を見つけ、俺に話しかけた。
「行くぞ。」
飯塚を連れ、楽しそうに会話を交わす2人に近づく。
「面白かったですね!」
「そうだな。」
バレるとまずいからなのか、颯太さんは目立たない格好をしていた。
「この後、家行ってもいいですか?」
「えっ・・・あぁ・・・いいけど////」
「何考えてるんですか?」
「うっ・・・別に!////」
2人の会話を遮るように声をかける。
「颯太さん・・・少し話しませんか?」
「なんで・・・お前らがここに・・・」
「颯太。お願い、少しだけでいいから。話聞いてくれない?」
「・・・伊藤。ごめん。先に行ってて。」
伊藤はその言葉を聞いて少し顔を歪めた。
「・・・分かりました。早く来てくださいね?」
「分かってるよ。」
颯太さんは伊藤に手を振りながら見送るとこちらを振り向いた。
「場所変えようか。」
颯太さんが反対の出口の方に向かい歩き出す。
「こっちに人気が少ない通りがあるからそこに車を停めて話そう。晃、車だろ?」
「はい。」
俺の車に3人乗り、人気の少ない駐車場に停めた。