第1章 イケメン教師と学年1の王子様
颯太side
まずい。
この状況はかなりまずい。
宏は「邪魔」と言いながら晃の横を通り中に入ってくる。
「おい、勝手に入るな。」
晃は宏の腕を掴み睨み返す。
「あ?触んな。あんたに用はない。海堂晃。」
「お前な・・・一応副担だぞ?」
「副担だろうが別にどうだっていい。」
晃の腕を無理やり引き離し歩いてくる。
「あ、待て!」
「颯太。何もされなかったか?」
「え、まぁ・・・うん。特には?」
「よかった・・・」
宏が安心したような表情を見せる。
「別に何もしてねぇし。ほら、帰れ帰れ。」
晃は宏の肩に手を乗せる。
「だから触んな。」
手を振り払う。
「お前こそ帰れ。颯太に近づくな。」
「は?何言ってるんだ?颯太さんは君の物じゃないだろ?」
「今はね。」
「今は?」
「あんたに颯太はやらない。俺が颯太を貰う。」
「うわっ!?////」
宏が俺を抱きしめ、晃を睨む。
「颯太さんから離れろ。」
「やだ。」
「あ?」
2人とも目が気味悪く光る。
能力者が目を光らせる時は能力発動する時だ。
「え、ちょ、お二人さん?ここ俺の家・・・(汗)」
「餓鬼がなめんなよ?」
「元カレだからって調子乗んなよ。」
「あの・・・聞いてる?2人とも?」
全然聞いてないし。
二日酔いで頭が痛いのに。
しかもここで暴れられたら俺の家が・・・
「覚悟しやがれ!」
「それは俺のセリフだ!」
「だから・・・いい加減に・・・しやがれお前らァァァ!!」
2人の腹に1発ずつパンチを入れる。
「2人とも出てけ。こっちは二日酔いで気分悪いんだよ。」
「「はい。」」