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【ヒロアカ長編】番外編

第3章 【Dtm】小ネタ



「は可愛いからな。触りてえとか、一人にしたら連れてかれるんじゃねえか、とか……思う」

──?!

「ひゃああちゃんめっちゃ愛されとる……!」

!?!?
いや、愛されてるのとは違うよね?
轟くんの発言に困惑していると緑谷くんが目を丸くしながら言った。

「轟くん……それは、その、飼い主的な感情じゃないような……!いや、それも間違いではないのか……?」

轟くんはきょとんとした顔で首を傾げている。可愛いとか触りたいとか言われた私は言葉の真意を理解できず悶々としていた。
あれか、やっぱりペットなのか私は……?

「可愛いからと言ってみだりに女性に触れてはいけないぞ!さ、下校時刻を過ぎてしまう。帰ろう!」
「そうだな」

マイペースマン二人により問題発言は捨て置かれ、私達は帰路に着くのだった。
途中までだけどこのメンバーで帰るのは初めてのこと。轟くんが私以外の人と交流を深めている姿を見るのは何だか嬉しかった。
それと同時に胸の奥がちくりと痛む。

嬉しいのに、ちょっぴり寂しいような。そんな気持ちになる自分が嫌だった。

「じゃあまた明日ね!」
「うん、またね」

お茶子ちゃんに手を振って別れる。緑谷くんと飯田くんもここでお別れだ。

「ではまた明日!皆、寄り道せず帰ろう!」
「まっまたね!」
「はーい、また明日!」

大きく手を振った。轟くんが呟いた「またな」は三人に届いただろうか。彼の柔らかい横顔に、私の頬も緩むのだった。

──ああ、触りたいってちょっとだけわかるかも。

今この瞬間、私は無意識のうちに轟くんに触れようとしていて。まるでそうするのが当たり前みたいに、手が動いたんだ。
彼の手に向けて伸ばした指先をぴたりと止めた。そうしたら轟くんは不思議そうに私の顔を見つめた。


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