第3章 【Dtm】小ネタ
.*・゚ 恋話 .*・゚
放課後、教室の一角に集いし女子の群れ。
誰を筆頭にか突如開催された何度目かの乙女の会議。それに私も強制的に参加させられている。何故なら椅子に座る私を取り囲むように集まっているからだ。
「ねー!最近上鳴、ちゃんに絡むよねぇ!」
「確かに……今日も昼休みにさんの居場所を聞かれましたわ」
透ちゃんの言葉に百ちゃんが真剣な顔で頷く。それに続いてお茶子ちゃんもうんうんと首を縦に振った。
悪ノリした響香ちゃんがにやつきながら耳のイヤホンジャックで私の頬を突っつく。
「ぶっちゃけどうなの?的にアリ?ナシ?」
「えっ、またそういう困ること聞いちゃうの?」
「聞いちゃうよ!女子だもん!お年頃だもん!」
「恋バナに飢えてるんだよー!」
苦笑して首を傾げたら、透ちゃんが後ろからのしかかってきた。透明でもちゃんと温かい。
三奈ちゃんがテンション高めに叫ぶから、近くにいた砂藤くんが「うお!」と声を上げて驚いていた。
「さ!はやく!どうなの?どうなの?」
「ううん……上鳴くんは、電気ビリビリはかっこいいと思う。女の子やお姉さんに弱かったり、すぐうぇいってなるのは面白いし可愛い……と思うよ?」
「おおっ?つまりなかなかの好感度では?」
ぐいぐい迫る三奈ちゃんの頬を押し返して小さく溜息を零す。
「そういう三奈ちゃんは?」
「えっ?上鳴でしょ?ナイナイ!」
それはもうあっけらかんと言うから思わず周りを見渡して黄色い頭を探してしまった。上鳴くんは意外と打たれ弱いから、もし聞かれてたらきっとショックを受けてると思う。
離れたところから切島くんの励ましの声が聞こえて心の中であちゃあと額に手をついた。
上鳴くんが落ち込んでいる事に気がついた三奈ちゃんは手を合わせて軽く謝った。
「ひでぇよ……勝手にネタにしたくせによお……」
「上鳴くん、ほら、飴あげるから」
三奈ちゃんに話を振った私の責任でもある。慌ててポーチの中の飴をひとつ摘んで上鳴くんに渡しに行った。これは……レモン味だ。
「っおおお……は天使だ……!」
「人間だよ?ひゃっ、」
震えながら飴を受け取ったかと思えば、いきなり手を取られたから声を上げてしまった。