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【ヒロアカ長編】番外編

第3章 【Dtm】小ネタ



「二度とデクの真似すんじゃねえ!」
「かっちゃんは嫌なのか……」
「かっちゃ言うなっつってんだろが!」
「うええこの人本当怖い」

かっちゃん、いいと思ったんだけどな。呼ばれなれてるだろうし悪口じゃないし。と思ったら切島くんも驚いた顔で私を見ていた。
やっぱダメなのか……。

爆豪くん目付き怖すぎて直視できない。今思えばまともに会話できたことってあったっけ。毎度何かしら怒られてる気がする。

「じゃあちゃんと名前で呼んでくれたら、かっちゃんはやめるよ」
「誰が呼ぶか!もうテメェは一生クソ羊だ!!」
「おい、爆豪。あんまいじめんな」
「だー!!俺の席に集まるんじゃねえ!舐めプ野郎テメェこいつの保護者だろ。さっさと持ってけや!」
「?俺は保護者じゃねぇぞ」

ついに見かねたのか轟くんがやってきた。珍しい……轟くんがこういう騒ぎに介入するなんて。
他人事のように考えながら後ろに立つ轟くんを見上げたらぽんぽんと頭を撫でられた。

「あれ、触られても平気なのか?」
「うん。少しずつ大丈夫になってきてるの」
「おお!良かったな!」

にかっと笑う切島くんに私も笑い返した。
爆豪くんと轟くんは何やら噛み合わない会話──と言ってもいいのか──をしている。

「いいだろ名前で呼んでやってくれ。が可哀想で見てらんねぇ」
「なにも良くねぇわ!ンならこっち寄越すなやクソが!」
「君たちまだやってるのか!静かにしたまえ!早く席に着くんだ」

これではおちおちトイレにも行けないじゃないか、とぼやく飯田くん。後五分ほどで授業が始まる。

「またね、爆豪くん」
「さっさと戻れや」

爆豪くんは舌打ちをしてふんと鼻を鳴らした。委員長の声で他の皆も席に戻る。轟くんは私の顔を覗いて至極真面目な顔で口を開いた。

「俺がって呼ぶか?」

えっ、え!?
なんでそうなったの。思わず変な声を上げてしまう。

「あの、あのね、名前で呼んでって別に下の名前のことじゃないんだよ」
「……そうなのか。てっきり爆豪にって呼ばれたいのかと」

轟くんの口から私の名前が出るのがなんだか慣れなくて照れくさくなってしまう。爆豪くんもこんな気持ちだったのかな?そう思うと嫌がったことに少し納得した。
轟くんは何故か安堵した表情で席についていた。



end.
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