第2章 【Dtm】Baby
日が落ちて暗くなった道を歩く。の家から俺の家までは五分程度だ。今日は親父の帰りが早いと姉さんが言っていたのを思い出す。また何かしら言われるだろうと思うと嫌な気分になるが、ふと、小さいの俺を呼ぶ声が蘇りそんな気分もどこかに消えていった。
親父のようになりたくなくて、結婚は愚か子供を持つ事なんて全く考えられなかった。だが、今日味わった今まで知らなかった感情に、その考えを少しだけ改める。
俺自身を見て、必要として、信用し好いてくれた。他の誰でもない俺を求めてくれた事が何より嬉しかった。
のような子供が家に居たら毎日大変で、その分毎日笑った顔に癒されるだろうな。まだ守られる立場にある俺に家庭を持つ未来なんて想像出来ないが、そんなのも悪くないと思った。