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【ヒロアカ長編】番外編

第2章 【Dtm】Baby



帰宅し買ってきたおにぎりを二人並んでダイニングで食べた。
一緒に買った冷えたお茶は汗をかいてテーブルを濡らす。はよほど腹が減っていたのか無言でひたすらおにぎりを貪っていた。食べ終わると、今度はの手を洗ったり食べこぼしの後片付けをしたり。休む間もなく動き回った。
子供の世話は何かとやる事が多い。一段落してやけに静かなに不安を覚え、声をかける。リビングから出ていないはずだが姿が見えない。

「?」

ソファーの上にもテーブルの下にもいない。

「おい、!」

この短時間でどこに消えるってんだ?
次第に焦り始める。ベランダの窓を開けるがそこにも彼女の姿は無い。嫌な汗が滲む。

「っ!」
「んんん」

の声だ。もぞ、とリビングの大きなクッションがほんの少し揺れた。慌ててクッションを退かすと丸く蹲ったの背中が現れた。

「大丈夫か!」
「んー」

ころんと転がったは俺の気も知らず口元を緩ませながら寝息を立てていた。思わず安堵の息を吐いて座り込む。こいつは俺を振り回すのが相当得意なようだ。
普段は大人しい奴だが、進んで危なっかしい行動を取るからその度に驚かされる。──小さいは全く大人しく無いが。
の母さんも大変だっただろうな。心配するのも頷ける。

「んふふ、ふふ」

何の夢を見ているのか、寝ながら笑う。
彼女の部屋にタオルケットがあったのを思い出し、静かに持って来て掛けてやる。俺は当初予定していた勉強──はやめて読みかけの本を鞄から出した。どこに座ろうか迷って、結局の隣に落ち着いた。見てないとまた消えるかも知れねぇ。床に座って例の大きなクッションに寄りかかると程よく沈み込む感じが心地よかった。

俺はの寝息を聴きながら本に没頭した。

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