第12章 夢のような時間
フワフワした気分になっていた。
そうして、
ゆっくり歩いていけば、
ロビーには、後ろ姿の格好いい彼がいた。
私はドキドキしていた。
こんなお姫様のような姿をしたことは一度もない。
まるで夢のような気分だ。
「……カカシ…」
「っ!!……」
振り返って私を見つめ、
驚いた顔をしたが、直ぐに
目を細めて満足そうに笑みを浮かべ、こちらに寄ってきた。
「とってもお美しいですね、様。ご満足いただけましたか?」
カカシは私を見つめながら
手を触れた。
「もちろんです、王子様。
カカシ様も今日は格別ですね。」
二人で演技をするように答えれば、優しい笑みが零れていた。
「、上で食事の予約を取っているんだ。一緒に行こう。」
「はい、喜んで。」
そうやって手を取り、華麗にエスコートしてくれるカカシに頬を赤らめながら答えた。
二人を見ても
今日は誰も忍びだなんて
気づかない。
私は胸をときめかせ、
カカシと並んで歩いている。
ずっと、彼を見て胸を踊らせていた。