第12章 夢のような時間
ふわりと浮かんで、
トンっと着いた場所は、
里一番の超高層ホテルの前だった。
「はい、着きましたよ。お姫様。」
「え…⁈ここ、めちゃくちゃ高いって有名の……って、
ちょ、ちょっと!」
お姫様抱っこをしたまま、
ホテルの中へ、私の話を気にせずに、スタスタ入って行った。
ロビーでは、受付の男の人が二人いる。
何か予約をしているのだろう。
カカシを見て、直ぐに案内しようとこちらへ来た。
そのまま受付男性の案内に従い、奥へ行き、
案内の方がドアをあけると、そこには、広々とした女性向けの明るいメイク室が目に入った。
「あら、こんばんはー!様ね、本日よろしくお願いします。」
挨拶をされ、軽く会釈をすると、ゆっくりカカシが私を下ろした。
そして、頭をポンポンとして、
メイクさんに短く伝えた。
「飛びきりの美人に。」
そう言って部屋を出て行った。
「え??ちょっ…と、カカシ⁈」
いきなり何が何だか分からず、助けを求めたが、カカシは出て行き、横を見ればメイクのお姉さん達は、やる気満々だ。
私を上から下までじっくり見ている。
「うーん、とりあえず、シャワーを浴びましょう。あそこにありますので、お使い下さいね。」
メイクさんはニッコリ微笑み、シャワーの方へ案内された。
(確かに埃っぽい。)
この姿じゃ流石にマズイと思い、
私はシャワーを浴びた。
生き返るように感じていた。
シャワーから上がると、カゴには、新品の下着を用意してくれていた。
お姉さんが用意してくれたようだ。
服を着ようとしたが、
無くて、代わりにハンガーにかかったバスローブを羽織った。