第9章 失恋後…
次の日から激務で、失恋の余韻を浸る時間は全くなかった。
おかげで私は、落ち込んでる様子を周りに悟られずに済んだ。
カカシとも、いつもの仲に戻っている。多分気を使い、そうしてくれているのだろう。
彼は優しい人だから。
ギクシャクしていれば
仕事にもならない。
一流忍者は任務をスマートに
こなしていくのだ。
カカシを見ていると、スケアさんとダブって見えていた。
口布の下にはあんなに整った顔があるとは、まさか誰も気づかないだろう。
隠す理由も分からなくはない。
カカシに、ちゃんと謝ろうとしているが、二人っきりになる事だけは避けられていた。
少し今、その部分だけが
辛く感じている。
窓から外を黄昏れていると、
後ろから声がした。
「何、黄昏てんだ?。
失恋でもしたか、青春だな!」
ガイが、ガハハハと笑いながら、横に並ぶように立っている。
「ガイは、いっつも鋭いよね、そういう所。」
溜息をつきながら
視線を向けずに答えれば、
ふと、飲み会の時を思い出していた。