第8章 本当のこと
「続き…オレとしない?」
そう言ってカカシが、私を抱きしめてきた。
スケアさんと同じ感覚を感じる。
近づいてキスをしようとしてきたから、拒もうと、手を口に置くが、簡単に手を離され、キスをされた。
目を瞑れば、スケアさんを
感じるのに、目を開ければ、
カカシとキスをしている。
頭が付いていかない…
あまりに衝撃過ぎて、
声が出てこない。
「ま、待って…カカシ…無理…」
拒否を言えばカカシは、
ゆっくり身体を離した。
「……オレが嫌いになった?」
見慣れない顔を見せられ、
違和感を感じている。
「ビックリして…頭が追いつかなくて…ゴメン。」
彼を見れない。
見てしまえば、認めてしまう。
スケアさんがこの世に存在しないということを。
「スケアさん…いないんだ。
そっか…そうかー…残念だなぁ……」
言葉で再確認すれば、
ポロポロ涙が出ていた。
カカシに騙された事よりも、
スケアさんが架空の人物だという事に絶望感を抱いていた。
「ゴメン、…」
「ううん…私の方こそ、舞い上がっちゃって、ごめんなさい。無理させたよね?…嫌な思いさせて、ごめん。」
何度もお互い謝っていた。
羽目を外し過ぎた私が悪かった。
カカシは仕方なくスケアさんになってくれていた。
彼が謝るのは筋違いだ。
「明日早いんだよね?ごめんね、引き留めて。ありがとう。」
「………。ああ…悪い。」
カカシは、自分から
出て行きにくいはずだから、
私から促した。