第8章 本当のこと

「これ以上したら……自分で自分が許せなくなる。」

離れようとした身体を、手で
引き止めた。

「…スケアさん、していいんだよ？どうして？」

その言葉に辛そうに
笑ったように見えた。

「後悔しない？多分は、オレを絶対…嫌いになるよ。」


"オレ"という言い方に
今変わった事に気がついた。


「最初はからかうつもりで
してたんだけど、途中…いや、結構早い段階でマジになってて…。
オレ、本気で言ってたよ。」


「…スケアさん？」


喋り方が変わった。





「悪かった、ゴメン。好きだから我慢出来なかった…今も…」



咳をして、声色を変えながら
話しているスケアさんを
時間が固まったように見ていた。