第8章 truth
『それは、崩玉そのものに防壁をかけ、他の魂魄の奥底に埋め込んで隠すという方法…
もう、解ったでしょう?黙っててごめんなさい。その時喜助が隠し場所として選んだのは…ルキアだった』
「…何……だって…?」
一護が私を見る
「そこまで知っていたとは…僕がそのことをつきとめた時、君は既に現世で行方不明になった後だった。
僕は直感した。浦原喜助の仕業だと。
彼はかつて霊子を含まない霊子体を自ら開発し、それを使って補足不可能な義骸を造ったことで尸魂界を追放されている。
その義骸は入った死神の霊力を分解し続ける。そのため、中に入った死神は霊力がいつまでも回復せず、義骸との連絡は鈍くなり、そしてやがてその魂魄は霊力を完全に失い…死神からただの人間の魂魄へと成り下がる」
ルキアの顔は絶望に満ちていた
「解るかい、彼は君に力を貸した訳じゃない。君を人間にすることで、崩玉の所在を完全にくらませようとしていたんだ。
だが幸い、数ヵ月後に君は現世で発見された。僕はすぐに四十六室を…」
ドンッ
大きな音と共に現れたのは七番隊隊長 狛村左陣だった
彼は卍解し、藍染に斬りかかる
「破道の九十、黒棺」
狛村左陣が黒棺によって倒される
「九十番台詠唱破棄!怖いわァ、いつの間にそんなトコまでできるようにならはったんです?」
「いや、失敗だ。本来の破壊力の三分の一も出せていない。
やはり九十番台は扱いが難しいよ。
…さて、済まない君達との話の途中だったね。そう、朽木ルキア。君が現世で発見された時、真っ先に僕が行った事…それが四十六室の抹殺だ。
君が発見されてすぐに僕は四十六室を殺し、中央地下議事堂全体に鏡花水月をかけた。そうして僕達は常に三人の内一人を地下議事堂に置き、それ以降今に至るまで四十六室を演じ続け、全ての命令を操作し続けた。」
『そして、藍染…あなたはルキアの魂魄を完全に蒸発させ内部から崩玉を取り出す為に、双極を使ってルキアを処刑することを決めた。
魂魄に直接埋め込まれた異物質を取り出す方法は二つ。双極の様に超々高度の熱破壊能力で外殻である魂魄を蒸発させて取り出すか…何らかの方法で魂魄組成に直接介入して強制的に分離させるか』