第2章 return
『姿を現して…神無月』
私がそう言うと目の前には銀色の髪に透き通った水色の瞳を持った青年が現れた
俗に言うイケメンだ
『久しぶり…神無月』
「久しぶりだね、蝶」
『元気…だった?』
「元気…だったのかな。君の感情全部筒抜けだから…」
『そうよね…ごめんなさい。1人にしてしまって』
「大丈夫…蝶ならきっと戻ってくると思ってたから」
『何もかも筒抜けね』
「ねぇ、俺のことを忘れた日は、あった?」
悲しそうな瞳で聞いてきた
『忘れるわけ…ないでしょう。毎日後悔していたわ…』
「あ、やっぱり?…ならいいや。全部許すよ。」
ニコッと笑う神無月
『もう…また、力を貸してくれる?』
「もちろん。卍解でも、なんでも。」
そう言って私の手を握ってくれた
『ありがとう。神無月』
「こちらこそ。…朝が来たね。」
『えっ!もう?!』
「また、話をしよう。」
『もちろん。たくさん話したいことがあるしね』
「楽しみにしてる」
それだけ話して私は現実に戻ってきた
『神無月…これからもよろしくね。』
『さて、行きますか』
私が一番隊隊舎の外に出ると、日が昇り始めていた
ドンッ!
『なんか降ってきた…』
いきなり目の前に現れたのは真名呼和尚。
『あら、久しぶり』
「久しいな。まさかお前が戻ってくるとは思わなんだな。」
『はは、確かに…戻ってくるつもりはなかったんだけど…』
「まぁいいさ。今日は移動用の乗り物はないぞ?どうやって上がる?」
『あら、わかっててそれを聞く?』
「冗談じゃ。
いつも通り、頼むぞ。」
『はいはい。
大樹を作れ 神無月』
ゴゴゴゴゴ…
バキッ
地面から大きな樹が生えてくる
それに乗って、私達は霊王宮へと向かう
『みんなに挨拶してないけどいっか。
どうせ、私は下で働くんでしょ?』
「よぉわかっとるな。」
『何となく予想はしてたしね。』
「そうか」
『さ、そろそろ着くよ!』
ピタッ
樹の成長が止まった
『着いたね。
戻せ、神無月』
神無月にそう言うと、大樹が消えた
「相変わらず、見事じゃの」
『そう?』
そのまま私たちは霊王宮の中に入る
『霊王様、新しく零番隊に入った水無月蝶です。
誠心誠意護らせていただきます。』