第6章 start
恋次がカードキーのようなもので牢の部屋の扉を開けてくれた
「じゃ、俺はここで待ってるぜ」
『ありがとう』
私はゆっくり中に入る
そこにいるのは後ろを向いているルキアちゃん
その背中はとても悲しそうだ
『朽木ルキア』
「!?なっ…!?…春原…さん?」
私を見てびっくりしているルキアちゃん
『ううん。本当はね水無月蝶って言うの。黙っててごめんなさい。』
「い、いえ…ところでその…隊長羽織を着ていると言うことは…」
『ああ、私は隊長じゃないよ?零番隊に所属してるの』
ルキアちゃんの顔が青くなる
「零番隊…」
『零番隊と言っても、別にルキアちゃんに危害を加えに来たわけでもないし、少しだけ…お話したかったの』
「私と…ですか?」
キョトンとするルキアちゃん
『うん。』
「一体何を…」
『一護も石田くんも…無事だからね。もう、怪我も治ってるよ。
だから安心してって言うのは変なんだけど…とりあえず安心して』
「一護と石田が…」
安心したようだ
そりゃそうだよね…ルキアちゃんを助けようとして一護たちはやられてんだもん
『あともう一つ…ルキアちゃんに聞きたいことがあって来たの』
「何ですか…」
『元十三番副隊長 志波海燕を殺した虚について…』
「!!」
『海燕は…弱くなかった、なのに虚に…殺されたと聞いたわ。』
「あの時…海燕殿が戦った虚の…能力は…最悪でした」
『能力…?』
「一晩に一度のみ…斬魄刀を消す力と…霊体同士を融合させ…内側から殺す力でした」
虚が…そんな能力を…?
私が聞いていた報告はただただ海燕が虚に殺されたと…殉職したとしか聞かされなかったのに…
『そんな能力が…』
「斬魄刀を消され…虚に入り込まれた海燕殿を…私は…私が…殺しました」
そう言ったルキアちゃんの目には涙が溜まっていた
『そう…なら、ルキアちゃんは海燕を…助けてくれたのね』
「ちがっ…私は…」
『そのおかげで…海燕はきっと救われたと思うよ。
ルキアちゃん…ありがとう』
「私は…っ…」
涙を流すルキアちゃん
『ああ…泣かないで…?』
私はこっそり牢の中へ入った