第6章 start
少し気になって穴を覗いた
丁度、テッサイが一護の腕を封じ終わったところだった
浸食も始まったようだ
「断ち切られた因果の鎖はそれ自身が自らを食らい始めるんス。それが浸食」
一護は必死に浸食を止めようと壁に鎖を擦り付ける
「駄目スよ。食うのを邪魔すると…自分が食われちゃいますよ。」
『通常、鎖の切断からその状態に移るまで数ヶ月から数年かかるんだけど…その穴は特別製でね?自己浸食を活性化させる気体が充満させてある。
で、その穴の底に於いて、自己侵食が完了するまでの時間なんだけど…』
「およそ72時間!三日です!
それまでに死神になってそこから這い出して来て下さいね。でないと虚になった貴方を…アタシらが始末しなきゃならなくなる。」
『さて、私は夏休みの宿題でもしてこようかな』
「え、見張ってくれないんスか」
『学業が本分なんでしょ?なら、70時間で宿題終わらせてくるわ。』
それだけ言い残し私は自室で宿題をしていた
コンコン
窓がノックされた
『はーい』
少し窓を開けると入ってきたのは猫
その猫はすぐに変化を解く
『ありがと、夜一』
「なーに、アレルギーなら仕方あるまい」
『で、どう?織姫とチャドくんは』
「力を使うことは出来たが…まだまだコントロールが必要じゃな。
まぁ、このまま進めば無事に修行は終えられるじゃろ。」
『そう、なら良かった』
「で、一護の方はどうなんじゃ」
『うーん…どうだろ?
まぁ、大丈夫だと思ってるけどね』
「なら、安心じゃな」
『そうね。夜一、二人をよろしくね』
「ああ、任せておけ」
夜一は再び猫に変化すると外へ行ってしまった
『あ、ミルクあげるの忘れてた』
ま、いっか。
私は再び宿題をし始めた
それから70時間後
私は宣言通りに宿題を済ませ、死神の姿で地下に向かう
もちろん羽織は脱いでる
『どう?喜助』
「今…虚になる一歩手前っス。ただ、虚になるまでの順序が滅茶苦茶で…抵抗してるんでしょうね。
だから、ほんの少しだけ…待ってみようかと」
『いいんじゃない?』
急に一護の霊圧が変わる
『ジン太、ウルルおいで!』
そして、穴が爆発した