第6章 start
「…貴様…恋次…!阿散井恋次か…!?」
「尸魂界からの追手が背後に迫ってるってのに、考え事に夢中で声かけられるまで気付かねえってか?
いくら義骸の身とはいえ、二月三月でちいっとユルみすぎじゃねぇか!?
吐けよルキア。てめーの能力を奪った人間はどこにいる?」
「な…何を言っておるのだ…?義骸に入っておるからといって、力を奪われたとは限らぬし…
ましてその力を奪った相手が、人間だなどと…」
ルキアは冷や汗をかいていた
「人間だよ!でなきゃ、てめーがそんな人間みてーな表情してる筈が無え!」
「!!」
「死神としての英才教育を施された朽木ルキアとあろう者が、そんな人間みてーな表情していい筈が無えんだよ!!なァ、朽木隊長」
ルキアの後ろには、朽木白哉が立っていた
「白哉…兄様…!」
「…ルキア…」
白哉がそう言うと同時に阿散井がルキアに斬りかかる
「人間への死神能力の譲渡は重罪だぜ。
さァ居所を吐けよルキア。オレ達はてめーを捕え、てめーから力を奪った奴を殺す。」
ドッ
阿散井の目の前に矢が飛ばされる
「丸腰の女の子相手に武器を持った男が二人がかり…見ててあまり気持ちのいいもんじゃないね…
僕はあまり好きじゃないな。そういうの。」
「…何者だてめぇ…!?」
「…ただのクラスメイトだよ。死神嫌いのね。」
「…石田…貴様…どうしてここに…」
石田はルキアの横に立つ
「ただの偶然さ、朽木ルキア。
君の気にすることじゃない。強いて言えば…この24時間営業の洋裁店チェーン、ヒマワリソーイングに夜中突然行きたくなったが、その支店がこの辺りにしかなかったから、こんな深夜にこの辺を歩いただけのこと。」
そう言った石田の手にはヒマワリソーイングと書かれた袋が握られていた
石田の持っていた袋の持ち手が斬られる
「ガチャガチャ言ってんなよ、メガネ。質問してんだぜ、こっちは」
「……石田雨竜だ。よろしく」
「…あ?何だ急に?」
「いや、そこまで言うなら名前ぐらいは名乗っておこうかと思ってね。いかに死神とはいえ…自分を倒した相手の名前ぐらいは知っておきたいだろうからね!」
「…決定だ!てめーは殺す!!」
「止せ!恋次!!石田!!」