第5章 encounter
現世で虚が大量発生した事がある
その時に派遣されたのが私と彼
彼は強かった
でも…私を守って死んでしまった
今日はそんな彼の命日だった
この日だけは千年以上たった今も忘れられない
『ごめんなさい…』
彼は最期に笑ってた
"お前を守れて幸せだった"って
それが…きっかけだったのかもね
『駄目だ。どうしても感傷に浸っちゃう。今年はもう帰ろう…
また、来るね』
「もう、泣くんじゃねーぞ」
『っ!』
声がした…彼の声だった
『またね…』
私は現世に戻った
穿界門を抜け、現世に降りる
そこで喜助が待っていた
「今日でしたね。アタシがあなたを迎えに行ったのも…」
『そうね。あの時は本気で殺してやろうかと思ったわ』
「ちゃんと話…できました?」
『出来たんじゃない?』
「ちょっとは、ふっ切れたみたいっスね」
『あなたが私を迎えに来た日、決めてたのよ?もうふっ切らなきゃって
でも、駄目だったのよ。いつまで経ってもあの時の光景が頭から消えない。夢にだって出てくる。』
「そうだったんスね…」
『けど、今日でちょっとふっ切れたかな。
百年前にあの事件を経験して、それから百年後に現世に来て、学校に通って…不思議と…あの時の光景をもう二度と見ないために動きたいと思い始めた。
一護や織姫ちゃん、たつきや啓吾、水色たちを見てるとね、この子たちを守る方が大事だなって思っちゃった。
もちろん…喜助や…真子たちも…
だからね、喜助。あなたには感謝してる。
私を迎えに来てくれてありがとう』
「!いえ…あの日を選んで…正解でしたか?」
『そうね…正解よ』
「なら、良かったっス」
喜助は安心したような笑みを浮かべていた
『さて、これから忙しくなるわよ。』
「そうっスね。」
『一護とルキアちゃんのことしっかり面倒みなさいよ。
わかったわね。』
「わかってますよ」
私と喜助は二人でゆっくり家へ帰った
この百年間の事をお互いに話し合った
ルキアちゃんの事についても教えてもらった
そして互いに、藍染を倒す決意を再び固めた
『用意周到に行きましょう』
「もちろんっスよ」