第4章 beginning
「ははは、本当にな。」
「実質、俺が隊長みたいなもんスけどね。」
『なら、よろしくね?海燕隊長』
挨拶を済ませた私は隊舎を後にした
「……聞きました?」
「ああ、聞いたさ。」
「海燕隊長って…初めて呼ばれた」
「からかわれたな」
「えええ、あの人からかうとかするんスか」
「昔から、悪い事が好きな人だよ。」
「悪女じゃねーか」
『?誰か噂してるのかな…』
そんな感じがした
私は無事に挨拶回りを終え、自分の隊舎に行く
ここもまた広い
霊王宮の屋敷よりも小さいけど…でかい…
『また適当に使うかな』
用意されていた椅子にもたれ掛かり、窓の外を見る
『綺麗…』
思った以上に挨拶回りがすぐに済んだ
今は夕方。夕焼けが綺麗だ
それからしばらくして、十番隊隊長 志波一心が姿を消した。
十番隊隊長に日番谷冬獅郎が任命された
『一心が…?』
あの人は逃げるような人じゃない…何かあったんだ…
私は調べた
十番隊が関わっていた任務、一心が現世に行った記録を
『あった』
原因不明で隊士が死んでる…
ってことは…また、動き出したのか…藍染…
『調べられることは全部調べたし…霊王様への挨拶も済ませた。
元柳斎にも挨拶したし…そろそろ行こうかな』
一心の事件から二十年後…私は現世へと向かうことにした
『解錠』
穿界門を開き、現世への道を歩く
『久しぶりだなぁ、現世は』
久しぶりに現世に来たけど…まぁ進歩してるわ
凄いなぁ
そんな事を思いながらある場所を目指す
百年前、私がプレゼントした家へ向かう
今は誰にも見えない死神の姿。
悠々と屋根の上を歩く
ここは空座町、私のお気に入りの町
程よく田舎で、程よく都会で…景色は変わっても…
空気はそんなに変わってない
そんなことを考えながら歩いた
私の家へ向かっていったはずなんだけども…
『浦原商店って書いてある…』
堂々と商売しているようだ
『?子供…?』
男の子と女の子がいる
何やら遊んでいるようだ
でもTシャツに浦原商店って書いてるってことは…
『喜助の知り合いってこと…?』
「何者じゃ?」